多少のネタバレあり。
あとで自分が見返すためのまとめなので、レビューというより雑記となります。
総プレイ時間。 総合得点。
約60時間。 ★★★★★★☆☆☆☆。
本編終了時点でのキャラの印象。
アイラ>ユキカゼ≧メルティナ≧リア。
プレイした攻略順&おすすめ攻略順。
ユキカゼ→メルティナ→リア→アイラ。
好きなシナリオ順。
ユキカゼ>リア≧アイラ>メルティナ。
序章~第一章。
感想を書かずここまで一気にプレイしたが、存外に長かったでござる。書きたいことは山ほどあるが、あまりに長くなるから要点を絞って簡単に。
初めに、グリザイアは未プレイ未視聴、というかフロントウイング自体初体験だから比較は出来ないことを念頭に置いて・・・。
大きな不満点が2つある。
1つは大方予想通りに事が進むこと。
もちろん予想外のこともあったが、「このキャラは今後こうなるんだろうなー、今後の展開はこうなるんだろうなー」という漠然な予想が大方当たってしまいなんとも虚しい気分に。単純に自身の予想が凄いとかではまったくなく、大半の人が思い付きそうなことだったりする。しかもそれを、「ここで誰もが予想だにしていなかったであろう大どんでん返し大会だー」とでも言いたげな演出で魅せてきているから・・・なんだか興をそがれたりする。
2つ目は会話だけで成り立つシナリオ。
主人公以外にも第三者視点を取り入れてはいるものの、あまりに会話のみのシーンが多すぎる。キャラの仕草やそのときどう感じているのか等、会話ではなく思考で伝えてほしい。まぁ最後までこうした表現が続くだろうから慣れるしかないわけだが・・・。
肝心なシナリオについては、なかなかに作り込まれていて夢中になれるものだった。戦闘では主役びいきせず主要キャラが死んでいくとても見応えあるものだったし、犬族にのみスポットライトを当ててこれほどの大作を完成させるのは潔くて好ましい。
「守って、守って、守って、それでも争いはなくならない。なのに、大事なモノは削られていく。なんなんだい、なんで争うんだい。なぜ奪う。なぜ分かち合えない。ファルは、あいつは、弱っちいアタシらと、安らぎを分かち合いたかっただけなんだよ!ほっときゃ消える短い命を、なんで争うことだけに、費やすんだい」
思わずメモってしまったアイラの台詞だが、この言葉にこそ犬族の考えが滲み出ていると思う。主人公は、「俺たちは兵だから仕方がない」ということを言っていたが、元を正せば兵士がいる世の中がおかしいだけであり、本心を言えば誰だって平和が一番のはずである。ヴィスラ公国に限らず世界を牛耳ろうとする悪の組織連中は、物語中は世界を我が物にしようと必死だが、もしそれが叶った物語後は平民を奴隷にしたりして、なんの滞りもなく(悪役なりの)平和な時を過すのであろうことが予想される。
つまりは見解の不一致でしか戦争は起きないものの、形は違えど目指すべき場所は一緒だったりするわけで・・・こう考えるとなんか、ほんとうに戦争って馬鹿げてるなと思ったり。
予想より長く書いてしまった割に本編にはあまり触れなかったがまぁいいかww第2章に期待しつつ。
・・・・・・そういえばヴィスラ公国のキャラが苦手すぎて辛いです・・・。
第二章。
クラーケンとのバトルでは主人公の戦略に皆が一丸となり、戦闘そのものに激しさはないが静かに熱く。自身でもよくわかっていないが、もしかするとこういうのが大好きなのかもしれない。燃えに燃える素晴らしい戦闘だった!!
第一章はもちろんのこと、第二章もストーリーの枠組みがしっかり作り込まれていてかなりの好印象。今回はユキカゼの妹であるセツナという伏線も出てきて更なる盛り上がりを見せている。
それはいいのだが、人魚族という設定はいささかミスだったのではと思ったり。普通のエロゲだったらまず間違いなく強かn(ry
それと、今更ながら主人公は魅力的だなーと思ったり。こういったゲームにしてはあまりに強面が過ぎるが、そこがまたいい味を出していて・・・というかSDになった途端かわいくなるのは何故なんだww
第三章。
救いようのない、ただただ悲しい物語。
リア以外のアンデッドは過去を見つめ直すことはおろか、先を見据えることも許されない。だからこそ一郎はリアに後のことは自分で決めろと・・・先に言っていた死なないからという理由の他にそんな思いがこもっているのだろう。
・・・あまりに気分が落ち込んでいてつらつらと書ける気分じゃないがひとつだけ。
今作において好きな女キャラがただのひとりもいなくて困っていたが、カーマインが登場してくれて救われた。
第四章。
フランとエレンに焦点を当てた話だったが、なんかこういまいちパッとしないというか、前章と比べて規模やら展開やらがあまりに違いすぎて・・・今章に入って急に雑になったのはなんでなんだぜ?これまでしっかりと土台を固めてきたのに、どうしてこうもったいないことをしちゃうかな。
ただひとつ、世界の要石についての話は興味深かった。
この世界が滅びに向かった時、異世界からこの世を支えるがごとく登場する要石。600年前に現れたマジーによって戦争の火蓋が切って落とされたわけだが、それはこの世界に必要だったことだという。仮に、一郎がこの世界で与えられた使命は戦争を終わらせることだとする。しかし、それでいったいなにが残るのであろう。もし神様なる者がこの世界にいたとしてこれらを操っているのなら、どう考えても質の悪い戯れというかなんというか・・・死人を出してまで戦争を駆り立て、長すぎる年月を経て終わらせることになんの意味があるのだろうな、とか。
あと、そういえば三章で書き忘れたというか書く気分じゃなかったが、セツナってヴィスラ帝国にいるのかwwというか第一章から登場していた気もするが・・・これからユキカゼルートに入るわけだが、気を取り直して重く悲しい展開希望。
ユキカゼルート&帰還ルート。
長い物語もひとつの形を成して終了。
大きなネタバレになってしまうからぼかして書くが、こうした大きな決戦で重要なのは、準備期間と決戦での時間割合だと思っている。前者が圧倒的に短いと決戦では感情移入ができなくなり、また長すぎるとダレてきてしまう。それは後者にも同じことが言えるわけだが、今作はとてつもなく絶妙なバランスが取られていた。秀逸なのはそこだけでなく、384飛竜隊の成長過程にもある。上官となりこれまで見えなかったことに身を持って体感していくシーンはほんとうに感動してしまった。故に決戦においての感情移入もしっかりできてボロボロ泣いたし、戦争が終結を迎えた暁には一郎と同じ虚無感を味わえることが出来た。
今ルートのみで言えば犬族やらアンデッドの話はまったくいらなかったと思うが、そんなことが気にならないほどの最終決戦をプレイできただけでも今作に触れることが出来、心の底からほんとうに良かったと思える。
そして帰還ルート。
初めての選択肢。どちらを選ぶか非常に迷った。結果的に選んでしまえば呆気無く終りを迎えてしまうが・・・もしこれがユーザーではなく一郎だったら、果たしてどちらを選ぶのだろう。
メルティナルート。
なんだろう。ここにきて失速感というか焦燥感というか、食傷気味というか・・・。
細かいところを言い始めたらキリがないのだけれど、ユキカゼルートではトリニティコアを発見して地上に引っ張りだしたのは人魚族なんだよね?百歩譲ってドワーフに依頼して今回の一郎がいない感じだったとしても、トリニティコアの囲いはどうやって外したの?名護が書物に基づいた方法を取った?
更に言えば元も子もない話になるが、一郎が竜族にいなくても結果が変わらな(ry
お瑣末なことかもしれないが、こうした疑問が出てきてしまうのは深みある作品(???)だからこそ許せない。せめてユキカゼルートのときにしっかりと明示しておくべきことだった。
そして今ルートで大活躍だったカリン。どうしてこうオカマキャラはいい味を出すのかと小一時間wwただこれもサイラスとの決別を見たかった・・・・・・というかサイラスがどうなったのかもよくわからないのだね・・・。
とりあえずせめて最後は歌で締めくくろうよ・・・叫びって完全に笑わせにきてるだろうwwww
リアルート。
死なないというのは誰ともかかわりを持たないことだとどこかで見た。それは人なら誰しも持つ心が問題で、仲の良かった友人が死んでいくことを幾度となく見せつけられてそれに耐えられるかというところである。
現にリアは死なない身体を持っていながら、一郎や周りの者は前線に出すことを嫌った。その理由がまさにこれであり・・・展開に多少強引な箇所も目立ったり会話ばかりが多く気疲れもしたが、生と死の対比がテーマのみを見るとほんとうに上手にまとめられていた。
アイラルート。
犬族は第一章、つまり一番初めに当たる話であり・・・ストーリー自体は面白いものではあるのだがいかんせん、時間を空け過ぎて感情移入がしづらいものになっていた。
晴眼とアイラの話について。
真実を追求する晴眼に対して、真実とは一番理に適っている考え方のひとつだというアイラ。
過去に起きたことはすべて真実だが、晴眼は未来の真実を見据えようとしているから話がややこしくなるわけであり、これから起きることが予知、予想ではなく予知できればそれこそ真実を知るこそが叶うわけで。ただそれをもっと突っ込むのであれば、行動を取るのは結局自身であり、人それぞれ価値観によって決まるものではないか。つまり晴眼がどれだけあがこうと・・・最初に戻るが、一番理に適っている考え方のひとつが真実とよべるのではないかと。
晴眼とアイラ(というか特別な能力を持たない人種)とでは言葉通り見え方が違うわけで、結局答えなんか出るはずもないのだが・・・自身まだ考えがまとまっていないが、なかなかに考えさせられる内容だったからメモ代わりに。
それとダモンとミスカはどう頑張っても好きになれないと思っていたが、予想通りというかなんというか。お決まりな展開+αで好感が持てた。
ラストはすべてを明かさずというものだったが、これはこれで考えさせられ逆に良かったかもしれない。
・・・・・・黒髪アイラかわいすぎ。
ということで終了。
ストーリー構成に大いに不満がある。例えばこれが、第一章終了時点でアイラルート、第二章終了時点でメルティナルート・・・といった感じでストーリーが進んでいけばまだよかったかもしれない。それと、やはり会話のみのテキストが多すぎて、そこでもかなり損をしている。
また、ユキカゼルートで大方ケリが付いている分他ルートはどうしても蛇足のように感じてしまい、かつ感情移入がしづらい作りになっているのがほんとうにいただけなかった。
それにしても主人公の重大さを改めてわからせてくれたのは感謝している。一郎の心情や信念にとても強く共感でき、それだけで今作をプレイして良かったと心から思える。ユキカゼルートだけなら★×7だったが、全ルート含めると★×6かな。
一郎が元の世界に戻ったときの話や神様の話、384飛竜隊の話が大好きだったからその追加エピソードや・・・あとカーマイン・森ルートがあったら是非プレイしたい。というか作って下さい(切実)
あと、毎回書いているオープニング終了時点のキャラの印象は、そもそもキャラを小出しになっている関係で今回はなし。