あかねぶろぐ。

永遠なんてないよ。

彼方の人魚姫感想。

多少のネタバレあり。
あとで自分が見返すためのまとめなので、レビューというより雑記となります。

プレイ時間。      総合得点。
約25時間。      ★★★★★★★☆☆☆。

OP終了時点でのキャラの印象。
葵>藍魚>日輪。
今作終了時点でのキャラの印象。
葵=日輪≧藍魚。
プレイした攻略順&おすすめ攻略順。
葵→日輪→藍魚。
好きなシナリオ順。
日輪>葵>藍魚。


OP終了時点での感想。
Wonder Fool作品初プレイ。
購入のきっかけは雰囲気が良さそうだなって、ただそれだけの理由だったが・・・実におもしろい。これからおもしろくなりそう、と言ったほうが正確かもしれないが。
とんでもなく丁寧な描写には心入る。
いやこれ、出来そうで出来ない芸当だと思うんだよね。大抵の作品は簡単な自己紹介からすぐに本筋へ入ったり、最初から本筋を見せることでそれを取っ掛かりにして没入させたり。
今作は物語の側面に沿って、ひとつひとつ丁寧に紐解いていく親切設計。しかし謎の箇所はそのままに、これから少しずつ解き明かしていくのだろうが、それのなんと心地よいことか。まぁそこはメインキャラが3人だからこそできる芸当なのかもしれない。
一人称がコロコロ変わる作品はあまり得意ではないのだが、今作ならば大歓迎。ぜひとも最後まで丁寧な描写を貫いてほしい限りでございます。
そしてやはり気になるのが、10年前に亡くなったという綾音について。いずれは過去の出来事がストーリーとしてあるのだろうが、今から楽しみでならない。
キャラでいうと葵がお気に入り。

初選択肢時点での感想。
生まれ変わり、はたまた本人。なんとなーく、うっすらとそんなことを頭に浮かべながら・・・考察せずにプレイしていた自身にとっては衝撃の展開で驚きを隠せない。
しかしまぁなんという優しい世界。誰を責めるわけでなく、誰を貶めるわけでなく、ただただ優しく受け入れる。小さな村が舞台というのも相まって、世界観最高すぎですはい。
ここにたどり着くまでが多少冗長に感じもしたが、すべてはこの空気感を醸し出すための演出と思えば納得。いやこれ面白いです。
とりあえず葵ルートから。

葵ルート。
前向きになれるいい話。
綾音の事故の葛藤は少し引っ張りすぎかなーとプレイ中感じたが、実際に大切な人が自分のせいで・・・となると、こうなるよなって。いくら年月が経とうとも、こうした出来事でもないと傷は癒えないよなぁ。
なにかを作り出す人は自分の気持ちを強く持っている人が多くて、葵もまさにそのひとり。なんのために、誰のために絵本を描くのか。そこのところが上手に表現できていてかなりの好印象。
この先、またなにか思い悩むことがあるだろうけれど、伊月を始め、信頼できる仲間が多くいるから、今の葵にとって心配はいらないだろう。
心に残る、ほんとうに素晴らしいルートだった。

日輪ルート。
あまり根を詰めすぎぬよう。日輪にだけは言われたくないww
いやちょっとおもしろすぎてもう。
幼馴染が故の悩み。自分には少し・・・いや、まったくわからない悩みなのだが、考えすぎてしまうきらいがある日輪らしいというかなんというか。
そんな内容だからこそ、キャラごとの内実がしっかりと描かれている今作にピタリと当てはまった感じ。
だからこそ日輪が伊月をどれだけ好きかっていうのもしっかりと伝わってきて、こっちまで恥ずかしくなってしまうww
その他、藍魚とのいざこざや綾音との別れ等、どこをとってもほんとうにおもしろかった。
・・・うんはかわいすぎて反則ですねはい。

藍魚ルート。
フルプライスでメイン、しかもルートが3つなことを考えると、大事なところをカットしないでしてほしかった。
医者になった伊月が藍魚を救った、と考えるのが妥当だろうけれど・・・そこに行き着くまでが丁寧だっただけに残念でならない。
恋愛にかんしてはこれまでで一番良かったんじゃないかな。伊月の気持ちもしっかり表現できてた。


ということで終了。
藍魚ルートの最後はどうなのって感じだったが、全体的に非常に楽しめた。
シナリオ担当の冬野どんぶくさんの作品は今作が初となるが、まさかこれほどまで心に響く作品を描いているとは。他の作品もしっかりと買わせてもらいます。
それにしても主人公が空気すぎるのはどうにかするべきwwまぁ一人称がコロコロ切り替わるから難しいのかもしれないけれど・・・でも、そのお陰でキャラの性格やその時の感情をより深く知ることができて、とてもよかったのは間違いない。
発売したのが23年10月、FD出ないだろうなぁ・・・なんだかんだですごく気に入ったから、もっとこの優しさに満ち溢れた空気に触れていたいのだが・・・FD出ないかなぁ。
あ、あと全体的に曲良すぎ。特にあの、タイトル画面で流れていて藍魚が歌っていた、「藍唄-アイウタ-」なる曲。ちょっとCD聴いてきます。