あかねぶろぐ。

永遠なんてないよ。

幻のディストピア感想。

あとで自分が見返すためのまとめなので、レビューというより雑記となります。

総プレイ時間。      総合得点。

約30時間。       ★★★★★★★★☆☆。

オープニング終了時点のキャラの印象。

朱莉>瑠璃子>楓>葉子。

本編終了時点でのキャラの印象。

朱莉=楓=葉子>瑠璃子

プレイした攻略順。

朱莉→楓→瑠璃子→葉子。

おすすめ攻略順。

(分岐ルートまでに葉子に好感が持てた場合)

楓→朱莉→瑠璃子→葉子。

(分岐ルートまでに葉子に好感が持てなかった場合)

朱莉→楓→瑠璃子→葉子。

好きなシナリオ順。

葉子>楓>朱莉>瑠璃子


オープニング終了時点での感想。

よい意味でも悪い意味でも酷く淡々としている印象。

ストーリーが進展していくさまもそうだし舞台設定の説明もそうだしキャラもそうだし、なによりテキストの効率がよすぎる。いい意味で捉えれば無駄がないともいえるが、悪い意味で捉えれば退屈にすぎない。

暁の護衛に似ていると前情報で見たが、確かに世界観もさることながらそういったところが似ているかもしれない。だがしかし、暁の護衛はシナリオのテンポの良さはもちろんのこと、ギャグやシリアス等のテキストや演出も大変よく、なにより一人ひとりのキャラにとても好感が持てるものだったが、今作品にはそういったものを全く感じることが出来ずにただただストーリーに流されていく感覚を覚える。

伏線の張り方も褒められるものではなく、事実がどうであれ正直どうでもいいという感じ。

そんな中、唯一主人公を気にかけてくれる朱莉ちゃんまじ天使!!

とかまぁ少し辛口でこんなこと書いてみたが・・・まだ始まったばかりだし今後もしかすると変貌を遂げるかもしれないし、そこに期待しつつ。

朱莉ルート。

そんなことを感じつつ天使であろう朱莉ルートを攻略したのだが・・・実に面白いではないか!!!!

オープニングを抜けてからの主人公の過去でストーリーが一気に加速を始め、それに伴いテキストも心地よいものへと変貌を遂げた。キャラデザに不満もあったが時間が経つと慣れていき、今では全く気にならない程に。

それはよかったのだけれど、葉子はいったいどういうつもりなのだろう。主人公のことを生理的に受け付けないといわれれば執拗なまでの粘着はわかる。けれど、親友の私が主人公の魔の手から朱莉を守らないと、というのはイコールでつながらない気がする。性格や過去云々の話ではなく、主人公をあそこまで嫌う理由は他にある気がするし、それは葉子ルートで明らかになると思ったのだが・・・もしそうであれば今ルートで朱莉と引き離すために事情を説明しそうな気もするし、ただ単にストーリーを盛り上げるためなのかな?

そして朱莉はそんな葉子も受け入れてしまう器量の大きさにまさに感服。天使はここにいた!!!!

相変わらずなにを考えているのかわからない主人公ではあるが、朱莉に対する性格の変わり様も神楽のとき同様、多少急ではあったが取り立てて違和感のあるものではなかったように思う。

楓ルート。

まさかまさかの打ち切りエンド。起承転と丁寧に積み上げてきたものを最後に壊してどうしたいのかと小一時間・・・これは続編を期待していいんでしょうかてぃ~ぐるさん。

3区出身者と1区出身者の恋愛について。いわゆる、身分の違う者同士の恋愛など~ということを今ルートだけでなく朱莉ルートでも散々いわれていたが、それこそ主人公のいう通り「好きになったものは仕方がない」という言葉がしっくりくる。もちろん自分はお金持ちの家に生まれたわけでも格式ある家柄でもないただの一般人なわけだが・・・例えばどこかの社長さんと互いに好きあった、例えばどこかのご令息やご令嬢と互いに好きあったとする。すると相手の親が「なんでこんな一般人と・・・」となるのも確かに理解はできる。しかしそんなのは後の祭りで、向こうの親がいくら子を説得したからといってそう簡単に覆るものではなく、むしろほんとうに子供のことを考えているのなら、現状のことではなく今後の2人についてしっかり考えるべきだと思ったりする。・・・もっとも、親だけでなく子供も似たようなことを言ってたりするが、やはりそれは親が子に擦りつけた概念でしかないし、そんな教えは恋愛の前では果てしなく無力だということに気が付くわけだが。いってみればこれも「時代の流れ」ってやつなのかねぇ。

それにしても楓も、強気でいるけど本当は弱くて純粋なところがまっことかわいい。シナリオを担当しているてんしーさんはキャラを自然体のまま動かすことができていて、ラストに近付くに連れとても好感を持てるキャラに自然となっていく・・・ということで葉子ルートも少しは期待していいのかな。

璃子ルート。

主人公が暴君で楽しめるものも楽しめない。

そんなことは他ルートでどころかOP前からわかりきっていることなのだが、瑠璃子には特にキツイのがなかなかクルものがある。

璃子は主人公も早乙女も恨む対象なのに、10年も共に過ごしつつ殺すチャンスを伺っていたり、早乙女が瑠璃子に正体を明かしても態度はそのまま、その他不自然としかいえないような点がちらほら。

結局恋愛なんてその場でなにを考えどう感じているか、つまるところ気持ちの変化次第で結果は変わっていくものだから・・・確かにこのカップルもありえないことはなくもないのかもしれない。が、やはりそれならそれでもう少し、主人公は前2ルート同様に瑠璃子に誠意を持って対応してほしかったし、瑠璃子も主人公に対して家主としてではなく曽我亮太として会話をするシーンがほしかった。

・・・ネタバレなしに書くのはなかなかに要領を得ないなwwとにかく次は株価大暴落中な葉子ルートに突入。今作は葉子がメインっぽいし、これまでのルートを思い返すにそこまでの心配はないのだが、果たして葉子に好感を持つことができるのだろうか。

葉子ルート。

なにこれ面白すぎ。

起承転結でいうところの転が強烈すぎて、これまでに感じていた不明な点や解消されていない伏線なんかが・・・なんというか、言葉通りすべて吹っ飛びどうでもよくなった。

・・・とりあえず冷静に。落ち着いて(プレイ直後で興奮が治まってない)

ユートピアのことについての説明が軽くしかされていない点や、主人公の詳細な過去が明かされなかったのはすべて今ルートでの伏線だったことに加え、これでもかーというほどのめり込める展開とシナリオ。今作初シナリオを担当したライターとは思えないほど素晴らしい出来だった。

ただそれにともない、あの子の今後についてはないの?あの伏線は?あれは?これは?といった、いわゆる説明不足や矛盾も多く感じてしまう。だが今ルートは間違いなく面白かった。守と賢吾の相似点でも盛り上がるし、主人公が葉子を恋に落としていくその過程、なにより主人公が中心となり広まっていく物語の数々。まったく飽きを感じさせない作りになっていてまさに感服。

散々書いてきた葉子が好きになれるかどうかという問題も、今では無駄な心配だったといえよう。


ということで全ルート終了。

オープニング終了時点ではどうなることかと思ったが、まさかここまで楽しめるとは思いもしなかった。

調べれば調べるほど酷評が多く目につくが、やはり自分でプレイしてみないとわからないものだなーとか思ったりしたいい機会にもなり、この作品にはそのことだけでも十分感謝。

葉子ルートにもちらっと書いたが、あとから関連付けるつもりだったであろう伏線が放置されていることや主要キャラの今後を全く描いていないこと、主人公はほんとうに口だけだったのか・・・など残念な点は多々あれど、やはりライターのてんしーさんのシナリオとテキストはそんなことを感じさせないくらい夢中になれる出来。キャラデザも当初はあまり受け付けなかったが、今ではこうじゃないと物足りない、というよりもこの絵じゃないと受け付けないと自然に感じるようになった。

てぃ~ぐるさん、是が非でもFDの制作を!!!!神楽とか夜も攻略対象にしてください!!!!そこで伏線も回収しちゃって下さい!!!!願わくば続編を!!!!

・・・暁の護衛のようなヒット作になることを祈って★は8に。