あかねぶろぐ。

永遠なんてないよ。

無題7。

「人生にはいろいろなことがあるのね。で、見ておくことで、学べることもたくさんあると思うの・・・いいえ、そう思うようになったの、最近。

昔は、親の死を子供に見せることは反対だった。それは論理的にもそうだし、子供の小さい心でそれを受け入れられるかどうか疑問だったから。

でも、今は正反対の意見を持っているわ」

「香奈・・・ですよね?」

「そのつもりよ。主人はこのままあなたの家に預けておくつもりだったみたいだけど・・・」

「俺は反対です。無理ですよ・・・あの子には」

「そうかしら」

「衝撃が大きすぎます・・・ずっと傷を抱えて生きることになる・・・」

「それでいいのよ」

「だって!」

「死を見つめる心が育たなければ、いざという時に納得できないまま人生が終わってしまうかもしれない。そちらの方が恐ろしいと思うの。あの子も決して健康ではないから・・・こういうことをよく考えて欲しいの。

何より権利があるわ。血をわけた娘ですもの。権利、権利・・・懐かしい。ブン屋だった頃は、私の一番好きだった言葉よ」

「・・・・・・・・・」

「平気よ。どんなに小さくても、大きな壁にぶつかれば一本芯が入るもの。私は、あの子をそんなに弱く育てた覚えはないしね。ちゃんと・・・あの子なりに受け止めて、成長してくれる。そう信じてる」